ブルーノ・タウトとノースライトと少林山達磨寺②
こんにちは!Rikoです。
今回は、ブルーノ・タウトのお孫さんのお話▽横山秀夫さん原作の「ノースライト」のドラマの見どころ!ネタバレなし▽少林山達磨寺の洗心亭についてご紹介します。
ブルーノタウトの子孫は?
「ブルーノ・タウトの世界」の基調講演で、お茶の水女子大学名誉教授の田中辰明氏のお話が興味深かったのでご紹介します。
2018年12月はタウトが亡くなって80年ということで、ドイツで展覧会が行われたそうです。
田中氏は、それに招待されました。
そこには、タウトの孫であるクリスチーネ・シリーさんとその娘のひ孫にあたるジェニー・シリーさんが、いらしていたそうです。
孫のクリスチーネ・シリーさんは、本妻の娘のエリザベートの娘さんです。
このクリスチーネさんの夫は、ドイツで有名な政治家のオットー・シリーさんです。のちに離婚しておりますが、現在では、引退し、88歳になられていますね。
日本でもアラカン世代以上には、よく知られていると思います。
オットー・シリーさんは、緑の党を立ち上げ、社会民主党(SPD)に移籍し、内務大臣を何年も務めた方です。
環境政策を中心に大衆運動を起こしてとても有名になりました。
オットー・シリーは、タウトを私淑していたそうです。
※私淑とは、尊敬する人には教えを受けられないが、その人を模範として慕い学ぶこと。
現在、ドイツは、環境先進国と言われています。そのもとは、ブルーノタウトと言っても過言ではないというわけですね。
タウトの孫のクリスチーネさんとオットーシリーさんの娘さんは、ジェニー・シリーさんで、ドイツで有名な女優さんになられています。
タウトのひ孫にあたる方ですね。
タウトは、本妻をドイツに残し、秘書のようなエリカと来日。日本では、籍が入っていないエリカを妻としていたわけです。しかし。
エリカのサポートなしでは、タウトの偉業も成し遂げられなかったであろうとしています。
クリスチーネ(孫)さんが、母のエリザベート(娘)の苦労話を始めると、ジェニー(ひ孫)さんが涙をしていたそうです。
タウトのドイツに残された家族も大黒柱をなくした上に、世間からの風当たりも強かったかもしれませんね。
会えないまま、亡くなってしまったわけです。大変な時代でしたね。
エリカの娘(クラリッサ)の娘さんも、田中氏が少林山のだるまなどをお土産に尋ねると、とても喜んでもらえたそうです。
エリカさんも大変責任感のある方と思います。
ブルーノ・タウト まとめ
何事も偉業を成し遂げるには、身内のサポートや友人や地域のサポートが必要と思い知らされます。
タウトは、いいところは、建築にどんどん取り入れていったようです。日本建築もとても気に入っていました。
少林山の近くの農家で大黒柱を撫でまわしたり、天井裏の曲がりくねった棟木を眺めたりしています。
日本を離れトルコに渡った時に造った家は、引き戸があり、日本的なので、ジャパンハウスと呼ばれています。
高崎での弟子の水野さんは、多少へんちくなところがあったと言いますが、仕事には、厳しかったと思われますね。
碓井川(少林山達磨寺の前を流れる川)の洪水の時には、タウトも貯金を切り崩す生活をしていたにもかかわらず、水害見舞いを贈り、その暖かい心がいまだに残る地区があるそうです。
NHKドラマ「ノースライト」について、ネタバレなし
ノースライトの番組宣伝でのお話をおりまぜてご紹介します。
注目していただきたいのが、実際に建てられたY邸です。
Y邸は、建築家の主人公の青瀬(西島秀俊)の代表作です。
北側の窓から見える浅間山が素晴らしいです。
そこから柔らかい光が入ります。
一家が引っ越してきたはずですが、家族が消えてしまいます。
残されたのは、一脚の椅子です。
同僚の北村一輝さんが、ブルーノ・タウトの椅子ではないか?
西島秀俊さんが、調べ始めます。
これを追っていくと、高度経済成長期、バブル、いろんな時代を巻き込んだたくさんの人たちの物語になっています。
西島秀俊さんは、ミステリーからそれぞれの人間ドラマを感じてほしいと言います。
西島さんにとって、Y邸は、演技の助けになったそうです。
CGでは、表せないような素晴らしさがあったと思います。
横山秀夫さんは、ドラマ化を聞いて?
「Y邸は、どうするの?」と聞いたそうです。
「Y邸を造ります。」と即座に言われ、断る理由もなくなってしまったそうです。
実際に信濃追分に建てられたY邸ですが、今は、跡形もありません。
「わぁ、もったいない」と思いますが、これがテレビや映画の世界なのですね。
10人以上の大道具スタッフさんが、連日稼働して、1か月強で完成させたそうです。
光のチムニー(煙突)の丸い明りも表現されています。
外壁の木の板の感じも好きだったのですが、美術さんが塗っていたりして?
北村一輝さんの役作りで意識したことは?
激しい感情の部分もあるが、あえて、やり過ぎず。
タイトルのノースライトの穏やかな光を意識して、激しすぎないように演じたそうです。
中年男性の友情にも注目です。
「ノースライト」音楽にも注目です。
音楽は、稲本響さんです。
世界的映画祭のグランプリ、芸術祭大賞など、数々の賞を獲得。
稲本さんは、現在43歳の方ですが、18歳でドイツに留学しています。
タウトの建物がまだ、世界遺産になる前のことです。タウトの建物を見に行ったそうです。
一番、驚いたのが、タウトの建物に人が住んでいたことだったそうです。
使わずに飾っておくよりも住み続けるほうが、タウトにとってうれしいことでないかと思ったそうです。
家は、住んでないと傷んでしまいますね。
「ノースライト」のメインテーマは?
渡り鳥のイメージです。
人生のめぐりめぐっている様を、らせんを描いて飛んでいる渡り鳥に例えて表現。
ピアノのフレーズで6連符という旋回するフレーズを取り入れているそうです。
回想シーンで流れています。
もし、時代が許すなら、タウトも世界中を渡り鳥のように廻って、好きな建築を飾っていたかもしれませんね。
注目は!
●Y邸です。内部の光の様子、景色、外観、タウトの椅子。 ●西島さんと北村さんの演技! ●いろんな時代を生きる友情や家族愛! ●その中に光のように差し込む音楽! ●豪華、キャストです。田中みなみさん出演! |
ドラマ「ノースライト」を見るためには、NHKオンデマンドかU-NEXT(5っ星)で見られます。
群馬県人ならば、見ておきましょう。もちろん、県外の方もおススメです。
高崎・少林山達磨寺の洗心亭!
私は、何回も少林山達磨寺にお参りに行ったことがあるのですが、まったく知りませんでした。
「ノースライト」のドラマでは、少林山達磨寺の洗心亭のシーンがあります。
ガラス戸や障子が開かれていてタウトの写真が、飾られています。
これは、ドラマなのでそのようになっていますが、普段はガラス戸は閉められています。
建物やタウトの碑を見ることができます。
タウトが書いた我日本文化を愛すの石碑があります。
少林山達磨寺は、山肌に沿ってあります。
駐車場も階段の下の駐車場と上の駐車場があります。
洗心亭に行くためには、下の駐車場にとめて、階段を登ります。
階段を登り切らずに、中腹を左に曲がります。そのまま、まっすぐ行くと洗心亭です。
このコースがドラマのシーンにあります。
もちろん、上から下っても大丈夫です。
洗心亭からの眺めは、榛名山と赤城山の西のすそ野が見えます。
手前に碓井川があります。そちらに降りると、西の方に、浅間山がよく見えると思います。
特に冬の雪化粧の浅間山はとてもキレイです。
タウトもこの上州の山々に癒されたそうです。
まとめ
今回は、ブルーノ・タウトについて、wikipediaや田中辰明氏のお話から、Rikoの視点で、できるだけわかりやすくまとめてみました。
少林山達磨寺の洗心亭を見学に行く前や、ドラマ「ノースライト」を見るまえに、ブルーノタウトの生涯や背景をざっとおさらいをしておくとより楽しめると思います。
少林山達磨寺は、桜の時期がおススメです。
車で上の駐車場まで行くと、高齢の方でも比較的フラットの状態でお参りや桜が楽しめます。
参考になれば幸いです。ありがとうございます。